札幌および札幌近郊に暮らしていれば、どんぐりのパンを口にしたことがあるだろう。
ちくわパン、棚いっぱいの個性的なパン、随時焼き立てが陳列されるオペレーション。
「ちくわパンは札幌のソウルフード」なんて言葉はどんぐりの客なら聞き飽きているかもしれないが、その言葉の裏には心からのサービス精神があることもまた、誰もが体験することだろう。

素晴らしいサービスだが、そこにすら慣れが来るのが人間の悲しいところだ。
筆者にとっても何度も通った場所だから、大麻店に入っても同じものと思っていた。

レジの先、ガラス越しに小さく見える赤い箱が、その日の予定を変えた。

専用のピザ窯だった。

どんぐり大麻店 赤いナポリ式ピザ窯
専用のピザ窯。どこにでもある代物ではない。

執筆時点、760円(税別)からの価格帯で数種類販売されている。
近場や通りがけのどんぐりに通うことは数え切れないが、こんな窯を置いている店舗は見たことがない。
その上で、ここでピザを食べない理由があるだろうか? ……いや、ない。

「大麻店付近にお住まいの方には当然の景色なのか……?」
──自分の感性を疑いながら、マルゲリータをオーダーした。

運ばれてきた1枚を見て、思わず値段を確かめ直した。
縁はぷっくりと膨らみ、ところどころに窯の火が残したおこげがある。

ひと口かじると、生地はもちもちと弾み、噛むと小麦の甘みが立つ。
トマトソースはみずみずしく、バジルの青い香りが鼻に抜けた。

どんぐり大麻店 焼き上がったナポリピッツァ
もっちり感が伝わるだろうか

焼きたてを、焼いたその場のカフェで食べられる——この距離の近さが、味をいっそう確かなものにしている。

どんぐり大麻店 焼きたてのマルゲリータ
ぷっくりと綺麗な耳、窯焼きの余韻が残るおこげ

カフェスペースはソファ席が中心の、腰を据えて長居できる作りだ。窓の外にはオープンテラス。席は44ある。
だが、焼いたピザをすぐに食べられるというカフェスペースには、休日だというのに人がまばらだ。
ならばここで一日執筆させてほしいと、土下座で願い出たくなった。

どんぐり大麻店 カフェスペース
カフェスペースの様子

レジの周りにはいつものどんぐりの風景——プレーンなパンから総菜パン、菓子パンまで、棚という棚にパンが並んでいる。店内はいつも混み合うが、それはどんぐりのどの店舗でも同じで、この店に限った話ではない。

パンはどれも作りが丁寧で、価格は通いやすい。
しかも、パンが焼き上がると客に「焼き立てと交換しますか?」とたずねてくる。
これもどんぐり全店に共通するサービスであり、安心感の源だ。

どんぐり大麻店 パン棚
個性的な焼き立てパンが並ぶ棚

本格的なピザ窯と、焼きたてをそのままカフェで味わえる作りが加わる店は、Webで調べた限りでは、どんぐりの中でもそう多くないはず。筆者が訪れたことのある店舗のみで言えば、大麻店に限られるサービスだ。

同じくらいの規模の店は他にもあるけれど、「窯から席まですぐ」「焼き立てピザをその場でゆっくり食べられる」という体験は、大麻店のはっきりした強みだ。
何度も通ってきた人ほど、ここで焼きたてピザが食べられる価値に、案外気づいていない気がする。

付近に引っ越したいくらいの衝撃がある体験だったが、ドライブのついでにでも体験はできる。
どんぐり大麻店はジョイフルAK大麻店の敷地内だ。隣のペットショップやホームセンターを覗いてみるのもいい。寄り道のしがいがある。

店を出ると、ほんの数分前に食べたピザが、もう恋しい。
次来る時はどのピザを食べようか。

もう一つ通う理由が増えたことに気づいて振り返ったどんぐりは、なぜだかいつもより大きく、にこやかに見えた。

どんぐり大麻店 外観
どんぐり大麻店の外観

店名どんぐり 大麻店
Webサイトhttps://www.donguri-bake.co.jp/
住所〒069-0845 北海道江別市大麻213-2
電話011-375-1581
営業時間月曜日: 9時00分~19時00分
火曜日: 9時00分~19時00分
水曜日: 9時00分~19時00分
木曜日: 9時00分~19時00分
金曜日: 9時00分~19時00分
土曜日: 9時00分~19時00分
日曜日: 9時00分~19時00分
駐車場無料駐車場
支払い方法クレジットカード・NFC決済(Apple Pay等)

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どんぐり大麻店