平岸駅の改札を出て、地上に上がった視界に、大きな看板がある。「肉汁餃子と唐揚げの酒場 しんちゃん」と大書された看板は、仕事帰りに一杯やりたい人間の足を止めるには十分な目立ちかたで、夜の路地を照らしている。

肉汁餃子の店しんちゃん 平岸店 夜の外観と看板
平岸駅前、しんちゃんの大看板(夜)

しんちゃんは大阪発の居酒屋業態だ。
2024 年 11 月 21 日、北海道初出店として、平岸の地下鉄駅前に着地している。

看板の派手さから想像する「ぎゅうぎゅう詰めの居酒屋」の像とは、店内に一歩踏み込むと別物だと気づかされる。

天井は高く、客席は奥に深い。72 席。奥にガラス張りの半オープンキッチンが走り、揚げ場と仕込み場の動きが客から見える構造になっている。

肉汁餃子の店しんちゃん 平岸店 ガラス越しの厨房
高い天井 / ガラス張り半オープンキッチン

派手な外観と、整理された内部空間。このギャップは、仕事の繊細さにもつながっている。

看板メニューの一つ、煮込み 3 点盛りは699 円。豚の角煮、大根、たまごの 3 点が、背脂と鶏白湯を合わせた濃厚なタレで煮込まれており、にんにく風味もしっかり。道産子の舌にも合う。

豚はとろけ、大根は色も中まで染みており、豚角のボリュームは「おでん」と呼ばれるものとは別物。
百聞は一見に如かず。しんちゃんを訪れ、これを頼まずに帰ることは許されない。

肉汁餃子の店しんちゃん 平岸店 煮込みと前菜の盛り合わせ
おでん 3 点盛り:豚角煮 + 大根 + たまご

唐揚げは「でっかい鶏唐」。
12 種類の素材を合わせた特製タレに24 時間漬け込み、二度揚げで仕上げる。客の出入りが多い時間帯にもかかわらず、一つひとつ揚げたてで運ばれてくる。衣はサクサク、肉から肉汁が湯気とともに立ちのぼる。単品で頼むこともでき、その場合は1 個 199 円と価格も低い。

肉汁餃子の店しんちゃん 平岸店 唐揚げ
あまりにも旨そうで、撮影前に1個食べてしまった

肉汁餃子は5 個 499 円。皮を破ると、噛んだ瞬間に肉汁が押し寄せる。
盛付けは、焼き目を下にしてある。肉汁を皿に逃がさないための工夫らしい。

肉汁餃子の店しんちゃん 平岸店 肉汁餃子
ひとつひとつ大ぶりで嬉しい。

無料サービスの鬼おろしは粒の大きい大根おろし。ポン酢の酸味と合わさって待ち時間の口を整える。
鶏スープには白胡麻が浮き、ごく軽い味付けで体を温める。

肉汁餃子の店しんちゃん 平岸店 無料の鬼おろしポン酢
おつまみにでも、薬味にでも。なんでも合う。

「肉汁出んかったら、お代はいただきません、ぐらいの気持ちでヤッてます。」

これは店頭に掲げられている言葉。

しんちゃんはチェーン店だ。大阪で8 店舗、北海道で初出店、これからも増えていくであろう業態。だが、揚げ物がすべて揚げたてで運ばれてくる店を、「チェーン店だから」と片付けるのは、その仕事に対して失礼だろう。

メニューの一つひとつに、店内手包み、24 時間漬け込み、大鍋で背脂と鶏白湯、といった、時間と工程の必要な仕込みが入り込んでいる。それを72 席の客に揚げたてで届ける運営は、技術と人手の両方を要する。

平岸駅前で、仕事帰りに一杯やりたい人。チェーン店という言葉に身構えがちな人。大阪の酒場の文化を札幌で味わってみたい人。

席数は多く、ガラス張りの厨房で揚げ物の煙と音を眺めるのは、それ自体が一つの時間になる。一人でカウンターに座ってもいいし、複数人でテーブルを囲んでもいい店だ。

派手な看板と、静かな仕事。

大阪で育った業態が、平岸の地下鉄駅前に降り立ってまだ 2 年に届かない。この店が、看板の派手さに見合うだけの仕事を続けていけば、北海道の酒場の風景に、あとひとつ別の柱が立つ。

店名肉汁餃子と唐揚げの酒場しんちゃん平岸店
Webサイトhttps://www.hotpepper.jp/strJ003917000/
住所〒062-0932 北海道札幌市豊平区平岸2条7丁目4-20 アークパレス平岸 1階
電話011-811-2910
営業時間月曜日: 15時00分~0時00分
火曜日: 15時00分~0時00分
水曜日: 15時00分~0時00分
木曜日: 15時00分~0時00分
金曜日: 15時00分~0時00分
土曜日: 15時00分~0時00分
日曜日: 15時00分~0時00分
駐車場有料駐車場・有料路上駐車
予約
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